香川県高松市 不動産業
概要
近年、社会全体で最低賃金の引き上げが大きな話題となっています。そうした流れの中で、「賃上げができる企業」をどのように構築していくべきか、多くの経営者が模索しています。
今回は、社員の声をもとに福利厚生の充実に注力し、働きやすい職場づくりを推進している会社の取り組みについてご紹介いたします。
取り組み
社員に対して働き方に関する意見を聞いたところ、まずは身近な福利厚生について考えてほしい」との声がありました。その中でも特に要望が多かったのが「残業削減」と「週休2日制」。こうした声を受け、労働時間削減に本格的に取り組むこととなりました。
かつては1年単位の変形労働時間制を採用し、月に2〜3回の土曜出勤を実施していましたが、2025年からは土日休みの完全週休2日制に移行しました。その代わりに、1日の所定労働時間を7時間50分から8時間へと10分延長しています。従前と2025年の働き方の変化については下記の表のとおりです。
| 取り組み前(~2024年) | 取り組み後(2025年~) | |
| 年間休日 | 102日 | 127日 |
| 1日の所定労働時間 | 7時間50分 | 8時間 |
| 年間の所定労働時間 | 2060時間 | 1904時間 |
| 月平均の所定労働時間 | 171時間40分 | 158時間40分 |
結果として、所定労働時間が1日あたり10分増えたものの、年間休日は25日増加。月平均労働時間は10時間以上削減されました。
それにもかかわらず、給与支給額は据え置きとしたため、時給換算で8%の昇給を実現。これに加えて、毎年の定期昇給5%を合わせ、合計13%の昇給となりました。
週休2日制導入のプロセス
①経営幹部が週休2日を実行できるかどうかの検討
まず最初に、社長をはじめ経営幹部が「土曜日に休めるかどうか」を検討しました。社員が休んでいても経営幹部が働いていれば、気を使って休みにくくなるのではとの配慮からです。
②業務の棚卸と効率化
月2回の土曜出勤がなくなると、約16時間も稼働時間が減ることになります。業務の棚卸を行った結果、「土曜にしかできない業務はない」と判明し、月~金の平日業務の効率化を図ることで、売上を維持しながら労働時間を削減する方針を固めました。
③社員への説明
所定労働時間の10分延長に対しては反対意見も予想されましたが、休日数の増加によるメリットが大きく、反対は一切なかったそうです。
取り組みの結果
生産性の向上
土曜出勤がある頃は、平日の業務集中力が下がっていたことに気づいたそうです。完全週休2日制となったことで、効率的に業務へ取り組む意識が社内全体に浸透し、生産性向上につながりました。
ワークライフバランスの確保
平日は仕事に集中し、土日はプライベートを充実させるというメリハリのある働き方が可能になりました。社長ご自身も、趣味のサーフィンに出かける回数が増加。プライベートの充実が、仕事へのモチベーション向上にもつながったと語ります。
まとめ ~所定労働時間の短縮も「賃上げ」になる~
「賃上げ」とは単に給与額を引き上げることにとどまりません。所定労働時間の短縮や休日数の増加は、実質的な時給の向上を意味し、従業員の働き方や意識にも良い影響をもたらします。
今回の取り組みは、給与と働き方の両面から「本質的な賃上げ」を実現した好例といえるでしょう。
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