労働者を雇用する際に労働時間の管理は必須となりますが、気づかないうちに法律違反となっている事例も多く存在します。今回は、「え?これも?」と認識ずれが起こりやすい事例について紹介します。
1.労働時間を切り捨てて計算していませんか?
1日の法定労働時間は8時間です。法定労働時間を超える場合、例え1分であっても時間外労働時間(残業)となります。システム等の設定で切り捨て処理が行われていないか、一度ご確認ください。
※1日の時間外労働時間を切り捨て処理することは認められていませんが1ヶ月で、残業・休日労働・深夜業の各々の集計の際に30分未満の端数を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げることは事務処理の簡易化を目的にしているので、認められます。
※1日の労働時間で、一定時間に満たない時間を切り上げ、その分賃金を支払うことは、労働者有利になるので、問題はありません。
2.時間外労働(残業)の申請は何分から認めていますか?
残業は時間外労働における部分すべてが該当します。残業の申請は「○分単位から!」と会社が指示を出し、切り捨てた部分の残業を支払っていない…ということはありませんか。
3.始業前後のラジオ体操や清掃、労働時間に含んでいますか?
始業時間前(後)にラジオ体操や清掃、制服への着替え等を義務づけているにもかかわらず、労働時間と認めていない、その時間以降にタイムカードを押すように指示していませんか。準備行為や業務に関連した後始末も、労働時間となります。
その他、曖昧になりやすい労働時間については過去の記事をご覧ください。

労働時間を適切に管理するためには適正に把握することが必要です
◎始業・終業時間の確認
例)タイムカードやICカード、パソコンの使用時間の記録
※自己申告制の場合は一定の措置を講ずる必要があります。
◎賃金台帳の適正な調製
労働者ごとに労働の日数・時間、休日労働時間、時間外労働時間、深夜労働時間等の事項を適正に記入しなければなりません。
労働時間の管理や給与計算にお困りの際は、ぜひ合同経営にご相談ください。